母乳アレルギーとは?症状と予防法!

○母乳アレルギーとは
母乳には赤ちゃんにとって必要な免疫がたくさん含まれており、アレルギーの予防としても、また親子のスキンシップとしてもとても良いとされています。
そんな母乳でもアレルギーになる場合があります。正式には「乳児消化管アレルギー」の一種で、日本では1990年代後半から症例が増えてきました。
主に、牛乳蛋白(育児用ミルク)、母乳、大豆乳で起こるアレルギーです。

△発症の時期
食物アレルギー診療ガイドライン2012では最も早く発生する食物アレルギーとされており、新生児期(生後間もなく)から発症することもあります。
それ以降でも母乳からミルクへ移行したり、ミルクから母乳に移行した際にも発症する場合があります。
赤ちゃんへの栄養を切り替えた際には赤ちゃんの様子をよく観察しておく必要があります。
飲んだ後の赤ちゃんの顔を見てニコニコ満足しているか、あやすと嬉しそうにするか、手足をバタバタ動かすかなど、授乳の度に確認してあげると良いですね。

○症状
通常の食物アレルギーは蕁麻疹などの皮膚症状、呼吸困難などがありますが、母乳アレルギー(乳児消化管アレルギー)の場合、腹部膨満・嘔吐・下痢・血便といった消化器系の症状があります。
また、母乳やミルクの飲みが悪くなる(哺乳力の減少)、元気がなくなる(不活発)、体重の伸びが悪い(体重増加不良)などの症状だけの場合もあります。
。症状が現れる時間は接種後1時間から24時間で、皮膚症状はありません。
△重症例もある!!
発症している赤ちゃんの10%はイレウス発達障害を起こす場合もあります。
重症でなければ、3歳までにほとんどの子の症状が治まっているようです。

○診断が難しい
通常のアレルギーの場合、IgE抗体検査で数値の異常が見られるので、血液検査での診断が可能ですが、「乳児消化管アレルギー」の場合、必ずしもIgEを必要としないので、診断が難しいとされています。
血液検査も行われますが、診断の確定と言うよりも他の疾患との区別に用いられます。

△アレルギーマーチにもなりやすい
一般的に食物アレルギーの場合、成長に伴い食物アレルギーは治まりますが、後に喘息やアトピーになる可能性が高まります。この「乳児消化管アレルギー」も適切な対処をすると2,3歳で治まる事がほとんどですが、アトピー性皮膚炎や喘息になる可能性が高くなります。

△治療は特別なミルクで
食物アレルギー同様に、母乳アレルギーも除去が必要になります。

○予防法
母乳アレルギー(乳児消化管アレルギー)は胎児のときからからなっている場合があり、母親が乳製品や大豆などの食品を制限しても赤ちゃんが発症することがあるようです。
また母親が食べたものが母乳になっているので、赤ちゃんの皮膚症状が出た場合は他の食物によるアレルギーを疑う必要があります。
一口に母乳アレルギーと言っても、乳児消化管アレルギーなのか、その他の食物アレルギーなのかの判断が必要です。母親が一人で判断することは赤ちゃんにとっても、母体にとってもメリットはありません。気になる症状がある場合は必ず産婦人科や小児科、アレルギー専門外来などを受診しましょう。

授乳後のバストアップ